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2015.03.30米西海岸のバイオハッカーグループ「Science for the Masses」が暗闇で視力を増強する目薬の実験に成功 /1
2016.07.26「DIYバイオでゲノム編集技術CRISPR/Cas9を使うのは危険か?」という記事 /149

2015.03.30

米西海岸のバイオハッカーグループ「Science for the Masses」が暗闇で視力を増強する目薬の実験に成功

↑BTW

 深海魚の眼に含まれる光に鋭敏に反応するクロロフィル(Chlorin e6)とインスリンの混合物を目薬として人間の眼に滴下したところ数時間にわたり暗視能力が増強したそうです。

 参考文献などを総合して考えると、このクロロフィルは網膜細胞内に浸透し、光を吸収した時にインスリン存在下で網膜細胞に光を感じた時と同じ電気的反応を起こさせると推測されます。

 この実験の元となった論文は2007年にマウスを使った実験として報告されている下記でしょうか。

この報告ではマウスの網膜細胞がどれぐらいの電気刺激を起こしているかを測定しており、赤と青の光に関して2倍のシグナル増強が得られていると報告されています。

ちなみにこの人体実験を行ったバイオハッカー団体「Science for the Masses」のMassesとは「大衆」という意味とのこと。


2016.07.26

「DIYバイオでゲノム編集技術CRISPR/Cas9を使うのは危険か?」という記事

↑BTW

 メディアがゲノム編集技術CRISPR/Cas9を神の技術にように取り扱う中、この技術がDIYバイオで使われたら危険じゃないのか?との疑問に関する記事です。リンク先はSTATというサイエンス報道に関するサイト。以下に要約を述べますがDIYバイオでCRISPR/Cas9を使うことに否定的な意見が多い内容となっています。

 記事中ではアメリカ東海岸にオープンバイオスペース「GenSpace」を運営するEllen Jorgensen(1人目)、ピッツバーグ大学のGigi Kwik Gronvall(2人目)、イギリス・キングスカレッジのFilippa Lentzos(3人目)、スタンフォード大学のHenry T. Greely(4人目)らがそれぞれDIYバイオにおいてCRISPR/Cas9を使う懸念について述べています。

1人目、DIYバイオスペース側に人間であるEllen JrgensenはCRISPR/Cas9が大変魅力的なツールであること、Genspaceを含めどのオープンバイオスペースも生殖細胞を編集する設備は持っていないこと、そういった方向性を持って活動していないことを述べています。

2人目はCRISPR/Cas9技術の安全に関する懸念はDIYバイオに限らないこと、全ての研究施設の安全管理をもっと田高める必要があることを述べています。

3人目はDIYバイオグループはかなり否定的な事を言っており、DIYバイオ集団は専門家集団ではなく危険をはらんでおり、単独で考えさせず積極的に干渉する必要があることを述べています。潜在的にはテロリスト集団と同一だと見る発言も。

4人目は大学や大手企業に比べDIYバイオ団体の制御は難しく、早急にこれらを制御する方法の確立が必要と述べています。