2023.01.05高価な化粧品「SK-II」の主成分=ピテラ=麹(こうじ)発酵液の自作方法 /5
2022.11.24細胞に磁力をかけて血清無しで増殖を促進する技術。培養肉や再生医療への利用が期待 /10
2020.10.28体内の「老化細胞の量」をDIY測定する。血液中のセルフリーミトコンドリアDNA量(cf-mt-DNA)が使える /8
2019.12.12自宅でPCR出来るようになれば自分でインフルエンザを感染初期に高感度診断可能だね /44
2018.03.28浮気よ!!!PCRで「髪の毛」「血痕」から男女を判別するために必要なプライマー配列 /32
2017.08.17週刊文春の記者がDIYバイオを駆使する日も近い?皮膚の微生物で同棲カップルを86%の確率で判別可能との研究結果 /142
2016.06.17バイオディーゼル燃料は1リットル30円で自作可能 /1
2014.10.10糖と大腸菌からプロパンガスを生産する方法が報告される /2
2014.11.12自宅でバイオエタノール(アルコール)燃料を1リットル100円ぐらいで密造する方法 /21
2014.10.01細胞から肉を培養する方法も解説した世界初の「培養肉の料理本(The In Vitro Meat Cookbook)」発売 /3
2013.11.01素人がキッチン用品を使ってDNAを抽出する方法(イチゴからDNAを抽出する場合) /19
2023.03.16
化学者が“実験器具”でクッキーを焼く動画がYoutubeで大ヒット
↑BTWあとで見る
2023.01.05
高価な化粧品「SK-II」の主成分=ピテラ=麹(こうじ)発酵液の自作方法
↑BTWSK-IIの主成分は麹の発酵液に含まれるピテラらしい
その本体はガラクトミセス培養液とのこと。
調べるとがガラクトミセスとは糸状菌の1つGalactomyces candidusのことらしい。韓国コスメには「ガラクトミセス」としてよく入っているとのこと。得意のパクリか?
あ、Amazonに「ガラクトナイアシン」という名前で安く出ている。
↓麹化粧品のDIY方法のYoutube動画アリ
しかし糸状菌なんて皮膚にたくさんいるだろ。洗顔しすぎると皮膚表面の有用物質を出す細菌を減らす可能性もあるね。
2022.11.24
細胞に磁力をかけて血清無しで増殖を促進する技術。培養肉や再生医療への利用が期待
↑BTWシンガポール国立大学(NUS)の研究です。
出典:Brief exposure to directionally-specific pulsed electromagnetic fields stimulates extracellular vesicle release and is antagonized by streptomycin: A potential regenerative medicine and food industry paradigm. Biomaterials, Volume 287, August 2022, 121658
研究では1.5mT(ミリテスラ)の磁力を「水平方向」「Upward」「Downward」の3つの条件で作用させています。Upwardとは培養プレートの底にN局、上にS局を置く方向、Downwardはその反対で上にN局、下にS局を置く方向。不思議なことにDownwardで作用させた時にUpwardよりも強力に作用があるようです。
磁力はパルス的に15Hzまたは50Hz(1秒間に15回または50回)で10分間だけ作用。強さとしては1.5mT(ミリテスラ)とあり、100均で売っているネオジウム磁石が数百mTの強度があるらしいので、そんなに強い磁力では無いようです。電磁石を使って電気的にパルス刺激するのも簡単そう。
磁力が直接細胞増殖を促すのではなく、磁力刺激で細胞から増殖を促す因子が放出されるようです。実際に、増やしたい細胞に直接磁力をかけなくても磁力をかけて培養した細胞の培養液を使う事で増殖促進効果が見られています。その作用は血清5%を上回る効果とのこと。
何が放出されているかに関してはEV(細胞外小胞)の放出が見られるとのこと。近年、生体内、血液中には細胞膜につつまれた細胞の切れ端のような極小のEVが多数含まれていることが分かっており、細胞間のコミュニケーションや、癌細胞が自分に適した環境を作るのに利用されていることが明らかになり盛んに研究されています。
研究ではEV(細胞外小胞)の中身については解析されていませんが、それ以外にも培養液の可溶性成分に関してIrisinの上昇と、FGF-21(有意差無し)、FSTL-1(有意差あり)の濃度減少がみられるそうです。
新世代のピップエレキバンの開発が始まりそう。
2020.10.28
体内の「老化細胞の量」をDIY測定する。血液中のセルフリーミトコンドリアDNA量(cf-mt-DNA)が使える
↑BTW先日から興味を持っていることなのですが最近アンチエイジング研究においては「体内からの老化細胞の除去」が検討されています。その中で下記の論文が興味深いです。
高齢者の臓器は移植成功率が低いですがその原因が老化細胞から血液中に放出される「セルフリーミトコンドリアDNA(cf-mt-DNA)」だというのです。体内に放出されたセルフリーミトコンドリアDNAは異物として全身の免疫細胞を活性化し軽い炎症状態を引き起こし、これが老化のトリガーになっているというものです。ミトコンドリアイブ説的にはちょっと興味深いストーリーです。
色々と老化細胞除去効果のある薬やサプリメントが報告されており、効果の指標として血中のcf-mt-DNAが測定されていますが、自分でこれらの老化細胞除去を試してみるなら、一緒に試した前後での血液中のcf-mt-DNAの量を測定してみたいところです。
測定対象はDNAですので自分で採血して、血清からDNAを抽出PCRを行うだけで比較的簡単に出来そうです。論文を読むと血液からのミトコンドリアの抽出は
PCRはリアルタイムPCRで行い。下記の3つの遺伝子を測定したようです。1つ目と2つめがミトコンドリア由来、3つ目は普通の細胞由来のDNAと思います。
定量性が重要なので普通のPCRではなくリアルタイムPCRで測定したいところですが、、、家には普通のPCRしか無いんですよね。
自宅用リアルタイムPCRマシンのクラウドファンディングが1台20万円でやってましたが
終了して製品版は50万円ほどで売ってますね。高くて買えないなぁ・・・・
PCR装置自体は材料費1万円もあれば作れることが分かったのですが
リアルタイムPCR装置となると蛍光検出装置を組み込む必要があります。2〜3万円もあれば作れそうな気がしますが。。。う〜む。
2019.12.12
自宅でPCR出来るようになれば自分でインフルエンザを感染初期に高感度診断可能だね
↑BTW情報原としては国立感染症研究所の「病原体検出マニュアル」が優秀、ありとあらゆる感染症をPCRで検出する方法がプライマーと共に記されている。インフルの他、エボラ、ペスト、ポリオ、コレラ、エキノコックス、ジカ、炭疽、デング、ハンタ、日本脳炎、ブルセラ、マラリア、ボツリヌス、ライム、レジオネラ、ロタ、ノロ、破傷風、マイコ肺炎、抗生物質耐性菌など何でもあるぜ。
インフルエンザに関しては「インフルエンザ診断マニュアル(第 4版 )(平成30年12月)」ってPDFファイルにまとめられている。しかし、あまり認識してなかったけどインフルエンザってRNAウイルスか。逆転写プロセスが必要だね。リンク先に記載のプライマー配列としてはインフルエンザA/M検出用プライマー:
Type A/M30F2/08 5'-ATGAGYCTTYTAACCGAGGTCGAAACG-3'
Type A/M264R3/08 5'-TGGACAAANCGTCTACGCTGCAG-3'
PCR産物の長さ: 244bpインフルエンザH1pdm09(豚インフルエンザ由来)検出用プライマー:
NIID-swH1 ConvPCR Primer-F1 5'-TGCATTTGGGTAAATGTAACATTG-3'
NIID-swH1 ConvPCR Primer-R1 5'-AATGTAGGATTTRCTGAKCTTTGG-3'
PCR産物の長さ: 349 bpインフルエンザH3検出用プライマー(A(H3N2)香港型など):
H3HA1-BIGIN 5'-AGCAAAAGCAGGGGATAATTC-3'
H3HA1-END 5'-TGCCTGAAACCGTACCAACC-3'
PCR産物の長さ: 1143bpインフルエンザ(H1NAソ連型など)検出用プ ライマー:
H1 HA1-BEGIN 5'-AGCAAAAGCAGGGGAAAATAA-3'
H1 R10 5'-GCTATTTCTGGGGTGAATCT-3'
PCR 産物の長さ: 729bpインフルエンザB型(ビクトリア系列、山形系列)検出用プライマー:
BHA1-N 5'-AATATCCACAAAATGAAGGC-3'
BHA1-C 5'-AGCAATAGCTCCGAAGAAAC-3'
PCR 産物の長さ: 1116もしくは1119bp
PCRの条件に関しては下記の論文が引用されている。
病院で「自分でPCRで高感度分析したらインフルエンザでした、ゴホッ、ゴホッ、病院の貧弱なクロマト検出キットではまだ検出出来ないでしょうが、薬下さい(キリっ)」って言ってみたい!!!!
。。。。くれないかな(^^;
2018.03.28
浮気よ!!!PCRで「髪の毛」「血痕」から男女を判別するために必要なプライマー配列
↑BTW男性、女性とも保有するX染色体特異的な配列を増幅するプライマーとして
5'-AAT CAT CAA ATG GAG ATT TG-3'
5'-GTT CAG CTC TGT GAG TGA AA-3'
男性のみが保有するY染色体特異的な配列を増幅するプライマーとして
5'-ATG ATA GAA CGG AAA TAT G-3'
5'-AGT AGA ATG CAA AGG GCT CC-3'
があるようです。
(1)はX染色体に5000回繰り返し存在する配列から130bpの配列を増幅、(2)はY染色体に特異的に100回繰り返し存在する配列から170bpの範囲で増幅します。
これらの配列を用いて、新鮮な血液では0.5μLで検出OKであり、6か月以上経過した血痕からでも検出がOKと書かれています。一方髪の毛は毛根がついていれば1本でOKですが、毛根が無くても2cmあれば検出可能とのことです。DNAは毛根にしか含まれていないとよく言われますが、毛根に0.2〜0.5μg、それ以外の部分にも10 ng程度含まれているそうです。
血痕からDNAを抽出する方法としては、実験室などでも行われる「フェノール抽出法」が最も効率的なようですが、自宅でやるにはフェノールが手に入らないかもしれません。「沸騰法」という10分間サンプルを沸騰させる方法も記載されており、血痕では50μLあれば検出可能。
髪の毛から検出するにはTween20という界面活性剤と、タンパク質分解酵素Proteinase Kを使った方法が有効なようです。
タンパク質分解酵素はこんな高い純度の高いものでなくても下記のようなものでも良いかもしれません(試してません)。
情報が掲載されているのは下記の報告です。
2017.08.17
週刊文春の記者がDIYバイオを駆使する日も近い?皮膚の微生物で同棲カップルを86%の確率で判別可能との研究結果
Sexually active cohabiting couple have same skin microbiome.
この研究を行ったのはカナダ・ウォーターロー(waterloo)大学の研究者ら、研究者らはカナダのオンタリオに住む10組の性的に活動的なカップル(sexually active cohabiting couple)(合計20名)のボランティアに協力してもらい、各自の17カ所の微生物を採取し、含まれるバクテリアの遺伝子解析を行ったところ、同棲しているカップルの組合せを86%の精度で言い当てる事が出来たそうです。
この研究で分析した10組のカップルは年齢が20〜49歳で同棲期間は4ヶ月〜14年、17カ所の内訳はupper eyelids(まぶた)、outer nostrils(鼻の外側)、inner nostrils(鼻の中)、armpits(脇の下)、torso(胴)、back(背中)、navel(へそ)、inner thighs(太ももの内側)、bottom of feet(足の裏)、palms of hands(手のひら)と特に局所は含まれていないみたいです(笑)。
各部分から採取したサンプルはDNAを抽出した後、細菌(原核生物)全ての遺伝子を増やすことの出来るユニバーサルプライマーPro341Fi (5=-CCTACGGGNBGCASCAG-3=)とPro805Ri (5=-GACTACNVGGGTATCTAATCC-3=)を使いPCR増幅した後、イルミナ社の次世代シークエンサーで分析しています。
この方法を用いれば週刊文春の記者が同棲の疑いのあるカップルを見つけ出すことが可能になります。週刊誌の記者はDIYバイオがこなせると良いスクープがゲット出来るかもしれません。
2016.06.17
↑BTW
海外の「Mother Earth News」という雑誌の記事の日本語訳記事です。バイオディーゼルは植物性油からでも動物性油からでもDIY出来るとの記事です。具体的には、揚げ物などに使った廃油を使ったり、自分で大豆や菜種を育てて得た油を使い、ディーゼルエンジンを動かすことの出来る燃料を作り出すことが出来るそうです。
記事では必要な機材として(1)ステンレス反応タンク、(2)副産物を取り除く洗浄ステーション、(3)出来た燃料を保存するタンクなどが挙げられています。これらは1000ドル(10万円ちょっと)未満の投資で入手可能とのこと。またバイオディーゼル作成専用の機材も売られていますが、これは1万ドル程度(100万円ちょっと)はかかるとのこと。
(省略されています。全文を読む)
2014.10.10
↑BTW
大腸菌を使って糖から燃料として使用出来るプロパンガスを生産する方法がNature Communcationsで報告されています(報告原文、無料で公開されています)。
報告したのは環境大国でもあるフィンランドの研究者・トゥルク大学の Pauli Kallioらです。普通の大腸菌はプロパンガスなどのアルカンを作りませんのでプラスミドを使って遺伝子導入しています。報告によるとthioesterase specific for butyryl-acyl carrier protein (ACP)の遺伝子を導入し、大腸菌がもともと持つ脂肪酸合成の仕組みを利用してアルカン(プロパン)を生産するようになるそうです。
(省略されています。全文を読む)
2014.11.12
自宅でバイオエタノール(アルコール)燃料を1リットル100円ぐらいで密造する方法
↑BTW 発酵でエタノールを作ることは日本の法律に違反しますので参考情報ですが、密造酒と同じ方法で作製する方法をまとめたページを紹介します。
方法はお酒と一緒で、デンプン→砂糖→エタノールという化学変換を酵母の力を借りて行います。そしてフィルターで濾過し、必要に応じてエタノールを濃縮します。詳細は本記事最後の情報元リンクを見てもらいたいですが、個人的に興味深かった点を箇条書きにすると
(省略されています。全文を読む)
2014.10.01
細胞から肉を培養する方法も解説した世界初の「培養肉の料理本(The In Vitro Meat Cookbook)」発売
↑BTW
The in Vitro Meat Cook Book(amazon.co.jp)
2014年10月28日に発売予定です。Amazon.co.jpで3770円(送料無料)で予約受付中。なお、amazon.comから個人輸入すると送料込みでもう少し安く入手出来そうです。↓
(省略されています。全文を読む)
2013.11.01
素人がキッチン用品を使ってDNAを抽出する方法(イチゴからDNAを抽出する場合)
↑BTW
以前に紹介したアメリカのバイオハッカー推進団体ジェンスペースのサイトで方法が紹介されています。キッチンにあるような材料のみを使って、目に見える形で楽しくDNAを抽出する方法が紹介されています。子供にバイオに対する興味を持たせるためのイベントに使えそうです。
イチゴから抽出されたDNA(リンク先より)
必要な材料
(省略されています。全文を読む)