iPadサイズの安価なDNAシークエンサー開発を目指すGenapSys社が資金調達に成功
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2014.02.18

iPadサイズの安価なDNAシークエンサー開発を目指すGenapSys社が資金調達に成功

GenapSys Genius(リンク先より)
GenapSys Genius(リンク先より)
 DNA配列を読む(シークエンシング)のコストが大幅に下がってきています。DNAシークエンサーのNo.1カンパニーであるIllumina社は今や個人の全ゲノム配列を分析するのに必要なコストは10万円になったと語っています。しかし解析するための機器は1台1億円もします。

 バイオハッカーにとってDNAシークエンスは自宅でやりたい事の一つではありますが、今のところ自宅でDNAシークエンサーを自作して読み出しに成功したバイオハッカーは見たことはありません。読み取り性能の低い(とても全ゲノム配列決定など出来ない)市販品のDNAシークエンサーでも数百万円しますし、かなり簡単に装置を自作出来るPCRと違い、DNAシークエンサーの自作はかなり難易度が高いです。

 今回紹介するGenapSys社は値段も本体の大きさもラップトップコンピューターと同じぐらいのDNAシークエンサーを実現しようとしている企業です。彼らは「Thermosequencing(熱読みだし)」という新しい方法を用い、機器の小型化と低価格化を実現しようとしています。彼らの技術ではDNAが複製される時に出る熱(わずか0.003℃)を検出することでDNA配列を読むそうです。

 新しいDNAシークエンス方法は、これまで誇大広告で溢れていました。例えば、Pacific Biocience社はレーザーでDNAを読むと宣伝し、有名になりましたが未だ実現していません。またOxford nanopore社は小さな穴をDNA鎖を通過させて読み出す技術を持っており、製品のプロトタイプは出来ているようですが、未だ製品は市場に出ていません。

 GenapSys社の創業者は現在31歳のHesaam Esfandyarpour氏です。彼の研究および事業はFacebookがまだ無名だった時に支援し巨万の富を得たことで知られるYuri Milner-Backed氏らから数億円にもおよぶ出資を受け製品化に取り組んでいます。

 こういった製品が実用化されればバイオハッカーが自宅で自在に遺伝子配列を調べれる日が来るでしょう。

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