エボラウイルスワクチンを自作する方法
カテゴリー:実験方法(記事数:10)

2014/10/15

エボラウイルスワクチンを自作する方法

 エボラウイルス感染が猛威をふるっています。感染者は1万人に近づき、WHOはこのまま感染は広がり続け12月には1週間の新規感染者が1万人に達するだろうと言っています。

 エボラウイルスに対するワクチンはまだ市販されておらずどこに行っても打ってもらえませんが、これらの脅威からバイオハッキング的に身を守ることは出来ないでしょうか?

 ワクチンとは、体内に進入した異物を免疫細胞が記憶し再度進入した際には強力に排除する人体に備わった仕組みを利用した予防方法です。薬としては非常に単純なもので、インフルエンザワクチンなどは人工的に増やしたインフルエンザウイルスを再増殖出来ないように処理(不活性化)し注射しているだけです。

 エボラウイルスが手に入れば処理をしてワクチンとして使用することが出来ますが、簡単には入手することは出来ませんし非常に危険な作業になります。解決方法としては既に解読されているエボラウイルスの遺伝子配列を使うことです。過去にはこの配列から人工的にペプチド(タンパク質の断片)を合成し投与することでワクチンとして作用させることに成功した報告があります(サルを使った実験)

 たとえば
  • Protective cytotoxic T-cell responses induced by venezuelan equine encephalitis virus replicons expressing Ebola virus proteins.J Virol. 2005 Nov;79(22):14189-96.PMID:16254354
  • Protection from Ebola virus mediated by cytotoxic T lymphocytes specific for the viral nucleoprotein.J Virol. 2001 Mar;75(6):2660-4.PMID:11222689
などの報告ではエボラウイルスのNPペプチド(アミノ酸配列:VYQVNNLEEIC)を使ってワクチン作用を得られることが報告されています。以下に報告されているエボラウイルスの部分ペプチドの配列を示します。
GPペプチドVSTGTGPGAGDFAFHK
WIPYFGPAAEGIYTE
NPペプチドVYQVNNLEEIC
GQFLSFASL
SFKAALSSL
DAVLYYHMM
VP24ペプチドKFINKLDALH
NYNGLLSSI
PGPAKFSLL
VP30ペプチドKFSKSQLSLLCETHLR
DLQSLIMFITAFLNI
※アミノ酸配列一文字表記

 この情報を元に人工的にペプチドを合成します(カスタムペプチド)。ペプチドの合成を自宅でやれると良いのですが作って欲しいペプチドのアミノ酸配列を指示するだけで作って配送してくれる業者が多数存在します。たとえば日本に窓口のあるSIGMA-ALDRICH社です。
 上記ページに価格が記されていますが、50%純度のペプチド合成が1アミノ酸あたり5mg(最小スケール)1600円ですので上記に示すNPペプチド(11アミノ酸)を合成依頼すると2万円弱で作ってもらえます。一般的なインフルエンザワクチンは1人分あたり0.03mgしか含んでいませんので5mgは1人分としては十分過ぎる量です。また、このような短いペプチドはワクチンとしの作用は弱い事が知られていますのでSIMA-ALDRICH社のページのオプションにあるようにペプチドにKLH/BSAなどの免疫反応を増すパーツを付加(オプション料金26800円〜)するとより効果が高いでしょう。
 断っておきますが、これらの合成ペプチドを人間に投与した場合にどれぐらいエボラウイルスの感染を防ぎ、症状を緩和出来るかは不明です。あと残念ながら上記のSIGMA-ALDRICH社は個人向けのカスタムペプチドの合成を行っていないようです。

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