「細胞を造る研究会」9.0(第10回)開催
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2016.11.25

「細胞を造る研究会」9.0(第10回)開催
Japanese Society for Cell Synthesis Research 10th annual meeting was hold at Waseda Univ in Japan

講演会場の様子、参加者は約260名とのことでした。
 「自然界にある細胞を観察し、利用する」従来のバイオから、「細胞を新たに造って、解析し利用する」新しいバイオが始まっています。アメリカではこれをSynthetic Biology(合成生物学)と呼びます。バイオハッキングを志す人達は好きな性質を持つ細胞を作り出し、楽しみ活用することを夢見ることが多く、バイオハッキング=合成生物学のように言われることもあります。

ポスター発表会場。非常に活発に議論が行われていました。
 実は日本にはこの「細胞を造る」ビッグチャレンジを目指す研究会が10年前から存在します。それが今回参加した「細胞を造る研究会」です。今のところ無細胞から細胞を造り出すことは出来ないのですが、これを目指し、脂質で出来た単なる球形の泡にどんな遺伝子を入れたら分裂を開始するのか、原始の地球ではどのような環境で最初の細胞は生まれたのか、細胞内で行われている複雑な化学反応はどうなっていて、どうすれば模倣出来るのかなどが発表されていました。

研究会ポスター、今回は早稲田大学の国際会議場で開催されました。参加費は一般2000円、学生1000円
 一番シンプルな細胞の形が判明し、これを無細胞から作り出すことが出来るようになることはある種の人類文明の特異点と言えます。これが実現した時からマシンと生物の境界は曖昧になっていき、あらゆる機械(生物?)が世の中に溢れるんじゃないでしょうか。

 既にある細胞の遺伝子の数を削っていく研究では最低限必要な遺伝子は473まで絞れているようです。また脂質のベシクルにどの遺伝子を入れたら自己複製可能になるかの研究も進んでおり、その日は近い将来確実に訪れるでしょう。

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 Keyword:合成生物学/14



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