スマホサイズのモバイル遺伝子配列分析装置(遺伝子シークエンサー)「MinION」を販売するオックスフォード・ナノポア・テクノロジーズのパンフレットが素敵すぎる
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2017.10.05

スマホサイズのモバイル遺伝子配列分析装置(遺伝子シークエンサー)「MinION」を販売するオックスフォード・ナノポア・テクノロジーズのパンフレットが素敵すぎる


上の写真は先日、パシフィコ横浜で開催された日本癌学会総会に出展していた展示ブース。

既にオックスフォード・ナノポア・テクノロジーというイギリスの会社が革新的な遺伝子配列読み取り装置(遺伝子シークエンサー)を開発したことは紹介しました↓が、日本での営業・販売活動を開始しているようです。

遺伝子配列(ATGCの組合せ)を読み取る遺伝子シークエンサーは安くても数千万円という高額機器で、個人で購入するなんて夢のまた夢だと思っていたら、同社の販売するMinIONというスマホよりも小さな遺伝子シークエンサーはなんと1つ10万円。この装置を見て最初に思い浮かんだのが「ハンター×ハンター」という人気漫画の下記のシーン

漫画:ハンター×ハンター(冨樫義博)18巻より

森の中で新種生物を探すハンターが、見つけた珍しい生物の写真を撮って何かの装置で新種かどうかを確認しています。この装置は画像で新種かどうかの判断をしているように見えますが、同じ事が、わざわざ研究所に生物を持ち帰ったりしなくても、その場で遺伝子配列により判別可能になることを意味しています。

他にもその場で水をチェックして病原菌の有無を調べたり、周辺にいる魚の種類を調べたり(漏れ出したDNAが少し水に残っている)色々な応用が出来ます。

素敵なのはそのパンフレット。遺伝子シークエンサーで「携帯性」を売りにするとか、もうビックリです。

「誰でも。どこでも、どんな生物でも解析を出来るようにすることを目指しています。」とのこと。まさにバイオハッカー!!!!。実際にパンフレットによるとサンプルの前処理は2ステップで5分、配列の読み取りも5分、あわせて10分で分析完了です。

↓海辺でおっちゃんがピペットマンで何かのサンプルを遺伝子解析しています。


↓MinIONの構造です。測定のために電子回路などもありますが、手のひらに収まるフリスクサイズに全ての装置が収まっています。重さ103gで、スマホよりも軽量です。USB電源で動作。

↓遺伝子配列を読み取るために使っている一番重要な部分は、いくつか集まって穴を形成する「チャネルタンパク質」。遺伝子がこの穴を通過する時に、核酸のA、T、G、Cそれぞれで電流が変化するそうで、この電流を読み取ることで遺伝子配列が分かるそうです。

 私は、こんな凄いナノテクを他に見たことがありません。宇宙人に教えてもらった技術なんじゃないかと怪しんでいます(笑)。

 この装置は現時点で日本でも300台ほど売れているそうです。現時点で1つ10万円ですし、非常にシンプルな構造であることを考えると、いずれはこの手の装置が1個1000円切るのは間違いないと確信します。

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コメント

いいっすね!=328
001 [10.05 17:23]なの@YahooBB:非増幅でイケるのがいいんですよね。ナノポア。高速化するためには、電気信号の読み取り箇所がネックなんだけど、selectiveであればそこは工夫しないで済むからこれでいいのかも。ここまでくるのに20年かかりましたねー。 (108)
002 [10.07 19:22]あいす@So-net:これって、5末側なのか、3末側から読んでるのかの識別ってできるのだろうか?膜タンパクのおかげ? (108)

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