5万円で分光光度計(スペクトロメーター)が買える。浜フォトのC12666MAを使った可視光用装置と、リニアーCCDを使った広域分析装置「DIY-spectrometer」
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2018.04.19

5万円で分光光度計(スペクトロメーター)が買える。浜フォトのC12666MAを使った可視光用装置と、リニアーCCDを使った広域分析装置「DIY-spectrometer」

 分光光度計(スペクトロメーター)という普通に買うと大変高価な装置が5万円でゲット出来るようです。分光光度計って何?っていう人も多いかもしれませんが、光にどの波長の光が含まれているかを調べることが出来る装置です。たとえば太陽光がプリズムで一続きの虹のようになるのは全ての波長の光が含まれているからです。一方、人工の光はそうはいきません。下記ページではスペクトロメーターを使って、一般的な白色LEDが「青色LED+黄色の蛍光体(青色を吸収して黄色を出す物質)の組み合わせて出来ていることを分析しています。

 DIYバイオ研究にもスペクトロメーターは大活躍する装置です。それは分子ごとにどの波長の光を吸収して、どの波長の光を放つか決まっているため、物質に光を当てて、この装置を使って、吸収された光の波長を調べることで、何の物質が含まれているか調べ、濃度を測定することが出来るからです。

 分かりやすい例を挙げると、植物が光合成する時に光を受け止める「クロロフィル」という物質は青色の光(400〜500nm)と赤色の光(500〜600nm)を吸収し、緑色の光(500〜600nm)は吸収しません(このため光を当てると緑色に見える)。すなわちスペクトロメーターを見て、青と赤の光を吸収し、緑を吸収していないことで、クロロフィルの量を測定することが出来ます。

 下記では日本の誇る光学機器メーカー「浜松フォトニクス」のC12666MAというマイクロ分光器を搭載し、340〜780nmの範囲内でどの波長の光が含まれているのかを検出すること出来る可視光スペクトロメーターが47000円で販売されています。
下記はArduinoとC12666MAを使って可視光スペクトロメーターをDIYする方法です。
 また、長波長の赤外線を測定することの出来る近赤外スペクトロメーターは色々なものを破壊せずに分析する方法として使われます(赤外線は内部に浸透するので測定しやすい)。例えば下記ではジャガイモを切らずに糖度を測る方法として、「糖」の吸収波長の中から可視光の670nm、また、近赤外光の多数の波長が使えることが書かれています。
その他、最近ではスマートウォッチ等で、血糖値や血中酸素濃度などを測ろうとガジェットの開発が進んでいます。

 このような可視光以外のスペクトロメーターに関しても、下記で検出部分に東芝のLiner CCDを使い、300〜1100nmの幅広い波長を測定出来る紫外、可視、近赤外スペクトロメーターを49800円で販売しているそうです。

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コメント

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001 [04.19 21:37]ななしさそ★44:300-1100nmのアレイ分光器が5万なら、100個くらいでラインセンサー組んでハイパースペクトルカメラ化とかやりたいなー。ちょっと仕事で反射率出したい事あるんですが、自前の分光光度計だと積分球が使えない、前居た所のは、積分球対応のダブルグレーティングを入れたんですがw (32)
002 [04.19 22:28]gのつく会社:ふむふむ、勉強になるな (39)

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