2013.11.29
光る植物を作り出し配布するプロジェクトGlowing Plant。50ドル出資で光る植物の種がもらえる
アメリカ・サンフランシスコのバイオハッカーAntony Evansによる「Glowing Plant」というプロジェクトが2013年6月にアメリカのクラウド・ファウンディングサイト「KickStarter」で8400人から5000万円近くの開発費用を集めるのに成功しています。
Glowing Plantオフィシャルサイトロゴ(リンク先より)
我々はエネルギーの大量消費時代に生きています。世界中で夜間を明るく照らすために世界中の自動車が発生させているのと同じ量のCO2が排出されています。もし電気を使わずに発光する植物があれば、世界中のCO2排出を大きく減少させることが出来るはずです。本プロジェクトはこのような趣旨に基づき、自ら光る植物を作り出し世界中に普及させることを目指しています。
植物を光らせるために、このプロジェクトの主宰者はホタルを光らせるのに使われる「ルシフェラーゼ」という酵素の遺伝子を植物の遺伝子を組み換える作用のあるバクテリア「アグロバクテリウム」を用いて植物に組み込むことを考えています。
自ら光る最初の植物は既に1986年に作り出されていますが、当初は光らせるために「ルシフェリン」という物質を絶えず植物に与える必要がありました(ルシフェラーゼはルシフェリンを消費して光ります)。今回、主宰者は1989年に見いだされたルシフェリンを与えなくても光り続けるルシフェラーゼ/ルシフェリン融合遺伝子を植物に組み込む予定です。
この融合遺伝子で光り続ける植物は既に2010年にニューヨーク州立大学により作り出されており、同年にはバイオハッカー団体iGEMにより光るバクテリアも作り出されています。
本プロジェクトでは50ドルを出資すると2014年9月に光る植物の種が送られてくる予定です。また苗がもらえる100ドル出資コースや、自分で遺伝子操作をして光る植物を作り出せるキット(ルシフェラーゼ/ルシフェリン融合遺伝子、アグロバクテリウム、植物の種)がもらえる300ドル出資コースなども用意されています。残念ながらいずれもアメリカ国内のみにしか発送出来ないようです。
Category:プロジェクト
※当サイトで実施している実験において使用している試薬・機器は全て一般の人が購入・入手可能なものです。入手方法は過去に紹介されているはずですが、見つけられない場合はコメント欄等でお問合せください。
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