自分で自宅でDIY新型コロナPCR診断をしよう(4)血液からのDNA抽出に必要な試薬と機器の準備
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2020.04.23

自分で自宅でDIY新型コロナPCR診断をしよう(4)血液からのDNA抽出に必要な試薬と機器の準備

在宅勤務だとついつい仕事の合間に自宅でDIYバイオして遊んでしまいますね。

前回↓

の続きです。まずPCR反応がうまく出来ることを確認するのが現在の目標です。
下記は前回紹介したキット付属の1ページ説明の中の「血液からのゲノムDNA抽出」部分を分かりやすくレシピにしたものです。

簡単に説明すると
血液にタンパク質分解酵素(Proteinase K)を投入、60℃10分で分解させ、エタノールでDNAを不溶化(析出)させて、洗浄して溶出して回収
って感じです。キット付属のRNase A(RNA分解酵素)は血液から抽出する時は使わないようです。

1万円以上払った(100回分だけど)キットですが、たいしたことやって無いですね。このキットを使い切ったらその辺の試薬を組み合わせて安価に抽出する方法でも確立しようかな。まあバイオ実験はとにかく工程数が多いのでキットに頼って時間短縮ってのが重要ポイントかなとも思います。

必要試薬の前準備
まずは凍結乾燥品として届いたタンパク質分解酵素(Proteinase K)を水に溶解します。100回分が2本のチューブになっているので、1本だけ溶かして今回使わない分は冷凍保存することにします。


他の会社のProteinase Kの添付文章を見ると↓Proteinase Kは-20℃で2〜3か月は安定と書いてあります。こういう場合はたいてい1年ぐらいは平気なはず。
説明書に従い1250μLの水を加えます。

加えた水はRO水(逆浸透膜で超絶精製したやつ)です。うちには海水水槽があるので自宅にRO水製造装置がありますのでそれで作った水を使います。
無い人は悔し涙を流しながら買ってください。20リットルで2180円だって↓
もしくは四谷のサイエンスバー「インキュベーター」にRO水製造装置があったので、飲むついでに店主に100円で少しクレって言えば売ってくれるかも
↓正確な液量を測りとるのに必要なのは「マイクロピペット」というグッズです。バイオの世界の「プラスドライバー」みたいなもんです。無いとかありえないのでバイオハッカー目指す人は買うと良いでしょう。俺みたいなバイオ野郎はここ20年ほど1日でハシを持っている時間よりもマイクロピペットをにぎっている時間の方が長いです。


↓いまどき1本1万円で買えます。だいたい3種類あればどんな液量も正確に測りとることが出来ます。
↓小分けにした液体を入れる定番は使い捨てのチューブです。1つの容量が1.5mLです。


Amazonで500本2000円、1個4円です。使い捨てです。
説明書によると1回のゲノムDNA抽出に必要な量は20μLみたいだけど、50μLずつ小分けにしていきます。


ちなみにチューブスタンドは3Dプリンターで作ったものです。俺も暇だな。
↓小分け完了、1個50μL入りを25本ほど


↓100円ショップのジップロックに入れて冷凍庫で冷凍保存します。Proteinase Kの元のチューブに25 mgと書いてあったので1250μLに溶かしたあとの濃度は20mg/mLです。


↓ストックは冷凍庫で冷凍保存します。バイオハザードシールはインテリアです。


噂によると家庭用冷蔵庫は定期的に少し温度を上げて霜が付かないようになっているらしいので、冷凍庫の中にさらに発泡スチロールの容器を入れて、大量の保冷剤と一緒に入れています。

↓次にWA1 Bufferというのを使えるように準備します。中身は何か知りませんが、このボトルは無水エタノール30mL入れて完成のようです。


↓無水エタノールは薬局で買えます。もしかしたら現在のコロナ騒ぎで売り切れだったりするのかも。


Amazonでも買えます。
無水エタノールって100%エタノールのことです。消毒用として売られているやつじゃダメです(あれはたぶん70〜80%)。


さて、WA1のボトルに30mLのエタノールを注ぎたいのですが、我が家には30 mLを正確にはかり取るメスシリンダーとか無いので電子天秤を使います。

まずマイクロピペットを使い1 mLちょうどのエタノールの重さを測ると0.79gのようです。すなわち30mLのエタノールは0.79x30=23.7g


↓電子天秤の上に載せて、どばどば入れます。へたなメスシリンダーを使うより重さで合せた方が正確です。これマメ知識な。


↓最後に60℃で10分間という工程をどうやるかですが、何でも良いです。今なら1万円以下で買える低温調理機とかを使って60℃一定のお湯を作れば良いんじゃないでしょうか?DIYバイオしない時は美味しい鶏ハムを作るのにも使えて一石二鳥。

今回は以前購入した冷却も加温(-20℃〜11℃)も出来るペルチェを利用した温度コントローラーを使うことにします。ちょっとファンがうるさいけどコンパクトだし1.5mLチューブ1つを温めたり冷やしたりするのには便利です。
つかこれクソ高かったので活用したい。こんな装置その気になれば2000円もあれば作れるよね。


↓装置の上に乗っているのは苦労して穴を開けたアルミブロックです。


↓裏にはパソコンのCPUとかに使う導電性グリスを塗っておきます。


これで全ての前準備が揃いました。

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※当サイトで実施している実験において使用している試薬・機器は全て一般の人が購入・入手可能なものです。入手方法は過去に紹介されているはずですが、見つけられない場合はコメント欄等でお問合せください。

コメント

いいっすね!=2514
001 [04/24 12:37]ななしさそ★52:今の瞬間ですと、無水エタノールは素敵価格がが。燃料用のメタノール入りで同じことが出来るなら、あっちは入手は容易なんですけどね。因みにマイクロチューブ立ては案外お値段するので、ロゴ入り3Dプリンタ物をプレゼントでドゾw RO水は、アレ、海水濾過出来るならサバイバル向けに非常に心強いですねw いや、家庭用の精製水も面倒な事になっていますし。 (218)
002 [04/24 23:28]はすし@最近週末男の茶々其乃壱@YahooBB:「無水エタノールって100%エタノールのことです。」←おぃバイオ屋!サラっと嘘書くな、表示見ろ。www 無水エタは99.5vol%以上のを言うんであって100%じゃ無いんだよ。理由は[作るのに割に合わないから]。元々エタノール水からの蒸留だと96vol/%が限界値なんでベンゼン混ぜて水飛ばしてた(3液混合共沸)のが経緯。(残り0.5%に何入ってるんだよwww) なんで昔の無水エタノール(オーディオマニアはヘッド清掃に使用)は漏れなく発がん性物質入り。www (281)
003 [04/24 23:29]はすし@最近週末男の茶々其乃弐@YahooBB:(続き)今は製法が変わってすっかり安全性アップだけどね。(だからチョイ薄めて消毒用に使えるようになった)_ _ >002 大量の塩ブチ込んで蒸留すれば素人でもエタ水(焼酎)から無水エタノール作れますよ。(塩と水の親和性で共沸点を消す) (210)
004 [04/24 23:33]ふぇちゅいん(管理人) TW★74:知ってるよそんなこと。 (254)
005 [04/25 00:22]はすし@即レスサンクス@YahooBB:>004 負け惜しみ?(どこまで知ってるのかな?)とは言え[100%]なんて[大嘘]書いちゃはイカンだろ。まぁオイラはバイオ関係は良く知らんけど。 (210)
006 [04/25 16:38]あいす@So-net:Proteinase Kを購入して使うのではなく、DIYらしくコンタクトレンズ用タンパク質分解酵素洗浄液でも実験してみてください。中高生のDNA抽出実験に使うことがあるので。 (215)
007 [04/25 18:31]b@OCN:>005 ノンアルコールなんかと同じく、そういうのは慣例的に100%とか0%というんだよ。突っ込むところじゃないよ。成分表の話じゃ無く (187)
008 [04/26 15:13]@Dion:そんなことより30mL計りとる過程の方が突っ込みどころだろ。エタノールの密度なんて最悪ラベルにも書いてあるのになんで1mLの重量計ってんのwww (172)
009 [04/26 15:43]ふぇちゅいん(管理人) TW★74:>>006マジか!!! (133)
010 [04/27 09:00]ふぇちゅいん(管理人) TW★74:>>008 どちらの方法が汎用性が高いんだよ? (158)


011 [04/28 12:58]:ラベル見るほうかな……。 (112)
012 [05/02 00:35]はすし@一週間ぶりアクセス(見てる観てないは別w)@YahooBB:>007 商品表示的には無果汁も同じ扱いってのは知ってるし理解してまするが、素人相手に100%と言い切るのはまずいでしょ的カキコですよ、文脈読んでね(ハート)。>008、www読み落としてた。www (133)

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