2016.01.18
普通に購入可能な青緑LEDとダイクロイックフィルターでついに電気泳動したDNAの検出に成功!
↓DNAがオレンジ色にバーコード状に見えます。かんてんクックで作った分析用ゲルに気泡がたくさん入っていて少し見にくいです。改善が必要。
キター!!!!!ついにアガロースゲル電気泳動したDNAを一般の人が入手可能な物だけを使い検出することに成功しました。
これまでの概要。
これまでにアクリル板と電源ユニットで自作のDNA電気泳動装置を作り、食品用の「かんてんクック」で作ったゲルに、DNA分子量マーカー(専門品)を流し、含まれている色素が動くのを観察しました。今回、ゲルにEtBr(エチジウムブロマイド)を加え、EtBrの518nmの第2吸収波長を使い505nm(青緑)のLEDを照射しSC-56という550nm以下の光をカットするダイクロイックフィルターを併用することで励起光を検出することに成功しました。
- PCR後のDNAを分析するための電気泳動槽を自作中 /バイオハッカー・ジャパン
- PCR後のDNAを分析するための電気泳動槽を自作中(その2) /バイオハッカー・ジャパン
- PCR後のDNAを分析するための電気泳動槽を自作中(その3)実際に電流を流してみた /バイオハッカー・ジャパン
- 自作の電気泳動装置&かんてんクックでDNA電気泳動してみるテスト(DNAそのものの観察はまだ) /バイオハッカー・ジャパン
- 電気泳動したDNAを観察するための紫外線照射装置(UVトランスイルミネーター)をどう調達するか /バイオハッカー・ジャパン
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↓フィルムの中身。

505nmのLEDライト


かなりまぶしいです。
↓かんてんクック1%、エチジウムブロマイド0.5μg/mLを入れてTBE緩衝液で作ったゲルにDNA分子量マーカーを20μL(かなり大量)に加え、10分程度電気泳動したところ。肉眼で確認。

↓部屋の電気を消して505nmのLEDライトで観察。フィルター無しでは何も見えません。

↓カメラのレンズにテープでSC-56フィルターを付けて撮影。キター!!!!!!!!、含まれているDNAがオレンジ色に見えました。


↓30分程度経過したところ、ラダー(階段)状にサイズの異なるDNAが分離していきます。

↓1時間程度経過したところ。さらに分離していきます。

●今後の予定、課題
観察可能になりましたので、次は実際にPCR反応を行いDNA解析にチャレンジしたい。ただ、今回DNAを観察成功しましたが、研究室で観察した場合と比較するとかなり見えにくいです。まず、かんてんクックで作ったゲルが粘性が高いのか気泡満載でゲルの上部に気泡があり見えにくくなっています。気泡が無ければかなり実用的レベルかと。何か工夫を考えたい。
あと、使用している電液泳動槽がちょっとだけ水漏れしているっぽいので修復が必要。フィルターをテープでカメラに固定しているのが美しくないのでどうにかしたい。
使用するEtBt量は極めて微量なので実際は問題無いとは思いますが、一応使い終わったEtBrゴミは屋外で日光に当てて分解&乾燥させる予定です。ほぼ体積は無くなるはずで廃棄の必要は今のところ無いと予想
現在使っているLEDライトは観察時にムラがあるのでやはり均一に光を照射出来る光源を作りたい。今回、電気泳動槽を透明な素材で作っているので電気泳動槽の下面に設置してそのまま観察することが可能かもしれません。
Category:電気泳動装置
※当サイトで実施している実験において使用している試薬・機器は全て一般の人が購入・入手可能なものです。入手方法は過去に紹介されているはずですが、見つけられない場合はコメント欄等でお問合せください。
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